浦和の来季監督に就任することが決定的となっているドイツ2部フライブルク元監督のフォルカー・フィンケ氏(60)が、早くも浦和の情報収集に入っていることが11日、分かった。浦和と提携関係にあるブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンやJリーグでの指導経験がある関係者に連絡し、選手の特徴などをつかもうとしているという。まだ正式オファーを受けていないが、視察のための来日を希望するなど着々と準備を進めている。

 フィンケ氏は浦和の監督就任を前提とした行動を開始していた。同氏の関係者によれば、バイエルンを通じて浦和のクラブ経営の状況、練習場、スタジアムの環境面をチェック。また過去にJクラブで指揮した監督らに自らコンタクトし、現在所属する選手の特徴などを調査しているという。

 同氏は今月上旬に浦和関係者と接触している。その席上で選手リストを入手したもようだ。ハンブルガーSVでプレーしていたFW高原や、レバークーゼンに在籍していたMFポンテとはフライブルク監督の立場で対戦済み。2人の特徴はつかんでおり、ほかの主力選手のプレースタイルも把握しようとしているという。特に日本代表に選出されるDF闘莉王、FW田中達、DF阿部らに強い興味を持っているといい、同氏の関係者は「もう来季に向けたチーム編成をイメージしているのではないか」と話している。

 浦和は来季まで契約が残っているエンゲルス監督の今季限りの解任を決めていないため、フィンケ氏への正式オファーはまだだが、同氏は「できれば実際に試合を見たい」と浦和戦の視察に意欲をみせているようで、来日の調整も進んでいる。来日した場合には1週間以上は滞在し、試合だけでなく、練習場などクラブ環境を実際に視察する希望も持っているようだ。

 浦和関係者の中には「フィンケ氏が来日した場合、優勝争いをしているチームに微妙な影響を及ぼすのではないか」と危惧(きぐ)する声も出ている。しかしフィンケ氏本人の意向が強いこともあり、今月下旬にも来日する可能性が高くなっている。