<J1:大宮1-0磐田>◇第34節◇6日◇ヤマハ

 J1磐田が大宮に0-1で敗れ、J2チームとの入れ替え戦に臨むことになった。0-0で迎えた後半30分に失点し、終盤猛攻に出たが、ゴールを奪うことができなかった。自動降格の可能性もあったが、最終順位を16位で終了。10日(アウェー)と13日(ホーム)に、J2で3位の仙台と対戦する。また、試合終了後、最終戦セレモニーと、今季限りで引退するMF名波浩(36)の引退セレモニーが行われた。

 敗戦のホイッスルが鳴ると、磐田イレブンはベンチに向かって問いかけた。「他の試合は!?」。しばらくすると、戦前16位だった東京Vが川崎Fに敗れたとの情報が、選手の耳に入った。磐田の16位が確定した瞬間だった。千葉が勝ったため、東京Vが引き分け以上で、自動降格の場合もあった。棚ぼたで自動降格を免れ、GK川口は「本来は負けたら終わりだと思っていた」。負けた悔しさよりも、降格が決まらなかったことに胸をなで下ろした。

 後半30分に失点しながらも、その時点では下位の千葉は同点、東京Vが負けていたため、敗れても残留が決まるはずだった。だが、同35分すぎあたりで、千葉が逆転したとの情報が入り、オフト監督は攻撃を指示。DF大井を前線に上げてパワープレーに出た。「最低引き分けにしたかった」。終盤猛攻を仕掛けたが、指揮官の思いをよそに、計18本のシュートは得点に至らなかった。

 試合後、引退セレモニーを行った名波は「あと2試合未来につながる試合が待っている」。現役生活が延び、仕事も増えた。FW中山も「もう2試合チャンスを与えられた。もう1度戦いたい」と、ベテラン勢は気持ちを切り替えていた。

 シーズンを終えた疲れを感じる間もなく、中3日でチームの将来を占うゲームを迎えることになる。「難しい試合になるが、私にはたくさんの経験がある。日はまた昇る。世界はまだ終わっていない」と、オフト監督は自信を見せた。今季でなくなる入れ替え戦。その最後に降格したクラブが、磐田であってはならないはずだ。【栗田成芳】