コンサドーレ札幌の新外国人コンビが「世界一のスタジアム」に、今季の活躍を誓った。14日に来道したFWキリノ(24)とMFダニルソン(22)が15日、札幌のクラブ事務所を訪れた。その足で隣接する札幌ドームに向かい、施設内を見て回った。ともに屋根のあるスタジアムの経験はない。豪華本拠地を目の当たりにし、キリノは得点量産を宣言。念願だった海外でのプレーが実現したダニルソンは、札幌で結果を出すべく、意を強くした。

 気持ちの高ぶりは抑えられなかった。札幌ドームを視察後、キリノが興奮したように言った。「世界一のスタジアムだよ」。初めて体験する屋根付き競技場。場内は人工芝が敷かれた野球モードではあったが、戦うイメージを膨らますには十分だった。「ここでできるだけ点を取りたいね」。札幌の新得点源は、自信に満ちた顔ではっきり口にした。

 14日夜に母国ブラジルから札幌に入った。長旅の疲れを癒やすように、イタリアンをむさぼり、英気を養った。一夜明けてのクラブ事務所訪問。マイナス3度の気温に「スウェーデンと同じくらい寒い」と昨季まで在籍した同国を例に挙げ、体を縮めたが、気持ちは熱かった。ロッカー室など感嘆の声を上げながら回り、自らの本拠地を体感。新天地での思いを強くした。

 海外で結果を出してきた実績がある。速さと高い打点を持ち味とし、スウェーデン・リーグのユルゴールデンでは3年間で53試合に出場し11得点。07年には13試合でチームトップの8得点を挙げている。U-20代表として05年のワールドユースに4試合出場するなど、母国でも能力は高く評価されている。日本でプレーするのは初めてだが、期待に応えられるだけの下地はある。

 札幌での“初仕事”もしっかりこなした。帰り際、クラブ事務所前でスコップを手に除雪した。報道陣に促されてのものだったが、満面の笑みで応じたように、サービス精神にもたけている。3度目のJ2降格からの出直しとなる今季、キリノがピッチ内外で、暗いムードを振り払う存在になりそうだ。【砂田秀人】