J1山形は長崎・雲仙市での1次キャンプを開始。午前トレで8000メートル走を行いブラジル人MFアンドレ・シルバ(28)が、タフネスぶりを発揮。「モトルジーニョ(小さな車)」の愛称通り、快走で優良外国人ぶりをアピールした。

 2分間の休憩を挟む、1000メートル×8本のインターバル走に挑む選手の顔が、次第に険しくなっていく。そんな中、ただ一人、涼しい顔をしているアンドレがいた。スタート地点をずらして4グループが一斉にスタートしたが、新助っ人は前の集団を追い抜く勢いを見せた。「小さいころから、ボールを持った人を泥棒だと思って追いかけていたら、自然にスタミナがついた」と笑う。

 181センチ、75キロと細身だが、その驚異のスタミナから母国では「モトルジーニョ」と呼ばれた。アンドレは「大きなカーレースにも出られるミニカーっていう意味。燃費がよくて、走り回るから」と、ニックネームの由来を説明した。豊富な運動量を武器に中盤の底で、守備はもちろん、前線に駆け上がり、攻撃参加もする。アンドレは「試合になればもっと走るよ」と、ちゃめっ気たっぷりだ。

 キャンプ初日のこの日、午後はパス交換など基本技術を2時間みっちりこなした。25日の深夜に来日したばかりのアンドレは「本当は時差ボケで疲れているけど、いい感触で蹴れて楽しかった」と疲労の色を見せない。小林監督も「アンドレは強いね~」とタフネスぶりに笑顔。J1定着を目指すチームの頼れるエンジン役を“ミニカー”男は担うつもりだ。【山崎安昭】