コンサドーレ札幌DF趙晟桓(26)が「裏司令塔」になる。腰の張りで別メニュー調整が続いていたが、26日、8日ぶりに熊本合宿のチーム練習に復帰した。戦術練習ではDF吉弘とセンターバックを組み、コンビネーションを確認。安定した守備だけでなく、精度の高いロングボールでのサイドチェンジなど、攻撃の起点としてもアピールを繰り返した。

 守りの要が戻ってきた。この日の趙は日本語で「左、左 ! 」、韓国語で「バー、バー(上げろ) ! 」と2カ国語を駆使してDFラインを統率。久々のチーム練習ながら、高いモチベーションでチームに闘志を吹き込んだ。趙は「もう腰は大丈夫。監督の指示通りやるだけ」と全快をアピール。守備の大黒柱復帰に、石崎監督も「開幕戦には出てもらわないと困るからね」と胸をなでおろした。

 新たな武器も披露した。右サイドでボールを奪うと、一瞬で左サイドハーフ岡本へロングパス。パス1本で攻撃の糸口を生み出す展開力も見せた。「機会があれば(ロングパスも)出していきたい」と趙。石崎監督も「後ろからの起点にもなってもらいたい」と前線のクライトンに続く、“第2のゲームメーカー”として期待する。

 熊本キャンプではリハビリ中のDF曽田と同部屋。曽田が熱心に韓国語の単語帳を使い日本語訳を教えてくれるため「とても勉強になっている」と感謝する。札幌に戻ってからは日本語の専属教師をつけることも決まった。堅守再建の柱が、着々と開幕への準備を整えている。【永野高輔】