開幕シミュレーションができない-。コンサドーレ札幌は1日、キャンプ地の熊本市内でJFLのニューウェーブ北九州と開幕前最後の練習試合を行う。1週間後に迫った開幕へ、当初は新外国人4選手全員を出場させる予定だったが、MFダニルソン(22)が左内転筋痛から回復せず欠場が決定。2月28日の練習中にはFWキリノ(24)も左ひざを負傷し出場が微妙になるなど「想定外」の事態に陥った。

 最後の連係チェックとなる場に、助っ人カルテットがそろわない。この日は、MFダニルソンが練習開始から別メニュー調整。ミニゲーム中にはFWキリノが、つまずいた拍子に左ひざを痛めてチーム練習に参加しなかった。北九州戦出場が微妙になったキリノは「ほかの選手とは練習で距離感はつかめているから大丈夫」と不安を打ち消したが、表情は険しかった。

 今季攻守の柱4人が、1度も実戦で顔をそろえないまま開幕を迎えることになる。ダニルソンは22日の東京戦で負傷後、約1週間、焦らず別メニュー調整の時間を設けてきたが、想像以上に時間がかかった。石栗フィジカルコーチも「筋肉系なので慎重に治すしかない」と、8日の開幕仙台戦に照準をずらさざるを得ない状況になった。

 非常事態だが、長いシーズンへ向けバックアップメンバーの対応能力を試す貴重な舞台ともいえる。J2・51試合の中では当然、出場停止や、負傷でメンバーを欠くケースが訪れる。「11人だけで戦うんじゃない。チーム27人誰が出てもいけるようにしなくてはいけない」とDF西嶋。開幕前最後の90分を、27人総動員態勢の下準備としたいところだ。【永野高輔】