<J2:岡山0-0仙台>◇第2節◇15日◇岡山

 「J2ルーキー」から勝ち点3を取りこぼした。JFLから昇格したばかりの岡山相手に、痛恨とも言えるスコアレスドロー。手倉森誠監督(41)は「悪い方向に考えたくない」と前を向いたが、16引き分けに泣いた昨季は、格下相手の不覚がJ1昇格を逃した一因にもなった。21日のホーム開幕鳥栖戦(宮城ス)に向けて修正が求められる。

 仙台イレブンが、敗者のようにうなだれた。MF梁主将は何度も首をかしげ、MF関口は頭をかきむしった。攻勢に出た後半は、梁を中心に何度も相手ペナルティーエリア内に侵入。9本のCKに、シュートも9本を集め、後半41分にはMF斉藤のミドル弾がポストを直撃。見せ場はつくったが、最後までワインレッドの壁を破れなかった。

 J2初参戦の“新入生”に苦杯をなめた。鋭い出足、最後まで衰えないプレスに戸惑い、奪われたボールはサイドへ回された。中央で待つ相手FW喜山には5本もシュートを打たれた。本来なら仙台が理想とする展開を見せつけられ、手倉森監督は「岡山の勢いに圧倒された」と険しい顔。試合前は「岡山は組織的で強い。簡単に勝てない」と警戒していたが、勝ちきれない不安は現実になった。

 開幕戦の反省も生かせなかった。12日のミーティングで札幌戦(8日)の改善点を選手にフィードバックし、サイド攻撃の練習を重ねたが「今日はサイド攻撃に不具合があった。FW中島やMF関口のスピードが生かせなかった」と結果につながらない。この日でJ2通算100完封試合達成も試合展開、守れても勝ちきれない歴史を考えると、手放しでは喜べない。

 侮れない相手とはいえ、昨季JFLへの取りこぼし。指揮官は「悪い方向に考えたくない」と切り替えたが、昨季序盤も下位相手に4戦連続引き分けで苦しんだ。救いは、無敗で21日の本拠地開幕戦(対鳥栖)を迎えられること。手倉森監督は「仙台に残したFWソアレスが練習試合で2得点した。好材料もあるし、引き分けの悔しさをホームで表現する」と力を込めた。