地獄の4連戦は“ハイテクタイツ”着用で乗り切る。コンサドーレ札幌は22日の次節甲府戦から2週間で、敵地3戦を含む4試合を一気に消化する。羽田空港から2時間半のバス移動を余儀なくされる山梨、直行便のない岡山、熊本遠征を含む今季最大1万700キロの移動が課される超過密日程。チームでは、選手の疲労回復のため今季導入した「高機能タイツ」着用を厳命し、ハード日程を突破する構えだ。

 札幌が「タイツ大作戦」でベストコンディションをキープする。「遠征が多くなるが、常に100%の準備をしなくてはならない。アスリートとして高い意識を持って臨んでもらいたい」と石栗フィジカルコーチ。移動時に選手全員にタイツ着用を厳命して、筋肉疲労を最小限に食い止めていく構えだ。

 ニューアイテムは同コーチの発案で今季から導入された。オーストラリアの「スキンズ社」が開発した新兵器で、マイクロファイバーという特殊繊維を体の形に合わせて成形したスパッツだ。身につけるだけで血流を良くし、筋肉痛を緩和させる効果があるという。

 通気性も良く、灼熱(しゃくねつ)のグアムキャンプ中でさえ選手がそろって「暑くない」と休憩時間などに着用してきた。これまでは選手各自の判断で自由に着用させてきたが、過酷な4連戦を前に、チーム一丸の「タイツ指令」が発令されることになった。

 今季最大の大移動に備える。甲府戦前日の21日には空路1時間半の移動後に、バスでさらに2時間半の移動が課される。翌22日の試合後は、その日のうちに再び札幌へ戻らなければならない。さらに中2日で25日に札幌ドームでの湘南戦。再び中2日で28日から岡山遠征に出発して、翌週には熊本遠征も控えている。

 チームは原則、JAL便を使うため岡山、熊本は羽田乗り継ぎを予定。2週間で飛行機移動は10回、合計の移動距離は1万700キロに及ぶ。実に日本から欧州の最西端ポルトガルに相当する距離を、試合をはさみながら移動しなければならない。

 鳥栖戦で劇的な初勝利を挙げ、ここから勢いに乗りたいところだ。MF西は「移動は多いが、代表選手はもっと厳しい日程をこなしている。甘えたことはいえない」と言う。「タイツ移動」でパワーを蓄え、着実に勝ち点を積み上げていく。