<ナビスコ杯:浦和1-0横浜>◇29日◇予選リーグA組◇日産ス

 浦和が、FW原口元気(17)の「実質プロ初ゴール」で、横浜に1-0で勝利した。前半39分、ペナルティーエリア内に転がったボールをチェイス。相手GKのファウルを誘ってPKを獲得し、MFポンテが落ち着いて決めた。浦和のナビスコ杯勝利は、06年6月3日準々決勝川崎F戦以来11戦ぶり。

 ペナルティーエリア内右に転がったボールに向かって、原口は猛然とダッシュした。「(そのまま)シュートは難しい」と判断し、飛び出してきたGKをかわそうとした際、相手がファウルを犯した。自ら蹴って決めていれば、プロ初ゴールとなったが「自分が蹴れれば一番良いが、あまり得意じゃないし、流れでロビー(ポンテ)だった」と、ポンテが落ち着いてゴールを決める姿を見守った。

 2月の練習試合では、ボールを失う回数が増え、調子を落とした。「ボールを奪われないようにしよう」。開幕戦スタメンの座もつかみ、リーグ戦磐田戦以外は、すべて先発。だが、自身のプレーに不満だった。

 25日のナビスコ杯広島戦がきっかけだった。「ボールを取られないことも大事だけど、そこで評価されるより(自分から)仕掛けた方が楽しい」と、攻めの姿勢を意識した。0-1で敗れたが「自分の好きなプレーができた」と、本来の持ち味を取り戻しつつあった。

 この日も果敢な突破を繰り返し、サポーターの「ハラグチ!」コールが何度もスタジアムに響き渡った。フィンケ監督は「2人の成長には満足している」と、山田直を含めた若手2人のプレーを評価した。原口も「初めて点に絡むことができた」と、手応えをつかんでいた。