<ナビスコ杯:新潟0-0磐田>◇29日◇予選リーグA組◇東北電ス

 磐田はアウェーの新潟戦で0-0のドロー。序盤からチャンスをつくりながら決めきれず、2戦連続無得点で今季公式戦5戦連続白星なしとなった。不安だった守備こそ安定してきたが、攻撃面での課題を残した。

 新潟ゴールが遠かった。磐田は前半27分、FWジウシーニョが中盤でパスカット。そのままドリブルで仕掛け相手DFを引き付けると、中央のFW前田に横パスを送った。走り込みながら、前田が放ったシュートはゴールのはるか上。守備では無失点に抑えながらも、絶好機で攻撃陣が決めきれず、前田は「FWは点を取れなければ、話にならない」とだけ、言葉少なに自責の念を述べた。

 リーグ開幕から公式戦5戦で、失点に比例するように得点も減った。開幕から大量失点を喫すと、柳下監督は「チームを安定させるには、まず守備を安定させること」と、守備を立て直した。開幕2戦10失点のチームが、これで2戦連続スコアレスドロー。GK川口は「守備は機能して状態は上がってきた。ナビスコ杯の2試合はチームにとって大きかった。あとはゴールだけ。リーグ戦で発揮できれば」と、守備での手応えと同時に、攻撃面での課題を挙げた。

 チームは5戦連続白星なしで、クラブ史上初めて開幕月の3月を未勝利のまま終えた。「守備で粘ることはできるようになったが、点を取らないと勝てない」と、指揮官の言葉通り、得点がなければ勝利はない。乗り越えた壁の先に、新たな壁にぶち当たった。【栗田成芳】