浦和が、国内とアジア制覇へ「欧州クラブ型経営」を参考に、チーム強化費アップを想定した経営改革に着手することが23日までに、分かった。24日の株主総会で三菱自動車元常務の橋本光夫氏(60)が新社長に就任。同氏は「チームの強化こそクラブ経営の柱」という方針で、従来の事業内容や経費を見直して経営のスリム化を図り、将来的に強化費の資金投入比率を高めていく考えだ。

 浦和の07年度営業収入約79億円のうち、選手やスタッフの人件費(下部組織を含む)は約35%の28億円。サッカー普及活動やレッズランドへの投資など「本業」以外の事業費(約40億円)を下回った。橋本氏は「今後も地域貢献活動は続ける」とした上で、同じ経営規模の欧州クラブが60%以上を強化に当てている現状を踏まえ「本当に必要なものを見極めて選択し(欧州など)さまざまなケースを想定して、チーム強化の環境を整えたい」という。

 新フロント陣の改革が進めば、選手を緊急補強する際も健全経営を保ちつつ、資金を集中投入できる。世界的な経済不況を乗り切り、実力と体力を兼ね備えた真のビッグクラブへ。橋本氏の手腕が期待される。