<J2:札幌0-0甲府>◇第18節◇30日◇札幌厚別

 コンサドーレ札幌が引き分け病に陥った。大事な第2クール初戦で甲府と0-0のスコアレスドロー。中盤でのパスミスで自らリズムを崩し、主力選手3人を負傷などで欠く相手に歯がゆい結果に終わった。5月は7戦2勝5分けと負けなしながら、勝ちきれない試合が続き、おまけに札幌厚別10試合連続未勝利とクラブワースト記録にも並んだ。3試合連続の引き分けで、これではなかなか上位との差が縮まらない。

 今季18戦目にして、最も煮え切らない試合だった。スタンドにあいさつに向かった選手は上を向いているが笑顔はない。そんな中途半端なムードにサポーターがクギを差した。「厚別では勝たないと意味がないんだよ」。同競技場2戦連続ドローという、不完全燃焼な幕切れに業を煮やした。

 石崎信弘監督(51)も第2クール初戦で勝ち点3を逃し、いらだちを隠しきれなかった。「3試合で1点。勝ちきれないのは単純に点が取れないということ。下手なんだから練習するしかない」。決定機はゼロではなかった。後半26分、DF吉弘からの縦パスを受けたFWキリノがDF裏に抜け出し、フリーでシュートを狙うもGKに止められた。後半40分、ゴール正面20メートルからのFKでMFクライトンのシュートはバーのはるか上。散漫なプレーも重なり、白星をとりこぼした。

 MF大西、林を負傷で欠き、得点源マラニョンを出場停止という戦力不足の甲府相手にスコアレスドロー。前節東京V戦のように中盤を省いて、安易に蹴り出す相手には落ち着いて対応できるが、甲府のよう中盤をつなぐ、同タイプの相手には、得意のパスワークを生かしきれなかった。石崎監督は「東京V戦ではできて甲府戦ではできないのは、まだ自分たちの波をつかみきれていないから」と言う。キーマンとなるはずのボランチのダニルソンも、トラップミスやパスミスでピンチを招く場面が多く、リズムをつかめなかった。

 3戦連続の引き分けに、MF岡本は「1勝2分けと一緒。悔しい」と言う。12戦不敗ながら、5月に入って勝利を挙げたのはリーグ下位の栃木と岐阜のみ。今節3位仙台が勝ち、昇格圏との差は「10」に広がった上に、次節は攻撃の核となるMFクライトンが出場停止。とりこぼした勝ち点は、残された選手ですぐにでも取り返さなければ手遅れになる。【永野高輔】