<J2:湘南3-2札幌>◇第22節◇21日◇平塚

 「反町マジック」が、湘南に劇的な勝利をもたらした。先制しながら1-2と逆転を許した湘南は、途中出場の2人が残り7分から連続ゴールして大逆転。反町康治監督(45)の積極采配が、チームを勝利に導いた。敗れた2位C大阪を引き離し、勝ち点50に一番乗り。現行の勝ち点制となった02年以降、同一番乗りチームはすべて昇格しているという力強いデータにも後押しされて、反町湘南がJ1へ突っ走る。

 札幌に逆転され、その後も防戦一方。苦しい展開を激変させたのは、反町監督の采配だった。次々と前線の選手を投入し、ロングボールで攻める。後半38分にFW阿部の1発で追いつくと、同42分にはMF猪狩のJ初ゴールで逆転。勝利の瞬間、珍しくガッツポーズをした反町監督は「エキサイティングなゲームだったけれど、10試合分の疲労感がある」と振り返った。

 札幌の石崎監督が攻撃的に動いたのに合わせて「目には目を。こっちも、思い切っていかせてもらいました」。2トップを3トップにして逆転すると、FWとして投入した島村をDFに下げて逃げ切った。「初めてでびっくりしたけれど、監督の指示通りにやりました」と島村は話した。

 勝ち点は50に到達。試合数が違うために単純な比較はできないが、延長が廃止された02年以降で50一番乗りのチームは、すべてJ1に上がった。それも06年の柏以外は優勝での昇格。「これから厳しくなる」と反町監督は気を引き締めたが、11年ぶりのJ1舞台へ、また1歩近づいたことは間違いない。