柏が、ソフト路線からハード路線に方針転換し、降格圏脱出を狙う。3勝6分け8敗の17位に低迷中の柏は15日、成績不振による高橋真一郎監督(51)の解任を発表した。後任に、V川崎(現東京V)などで指揮を執ったネルシーニョ氏(58)の就任を発表する予定だったが、ビザ申請などの手続きが残っているため、先送り。ただ同氏は18日にも来日し、25日の鹿島戦から指揮を執る予定だ。

 河西晋二郎社長は「高橋監督は家族的雰囲気でまとまりよくやっていたけれど、もうちょっと違う形でチームをつくることにかけてみる価値があると判断した」と説明した。ネルシーニョ氏は、対話重視の高橋監督とは180度異なる激情型。名古屋監督時代にはロッカー室でものを蹴り上げ、選手にも容赦なく雷を落としたことが多々ある。

 当時名古屋に在籍したDF古賀は「選手に厳しく言うタイプです」と言葉を選びながら慎重に話した。98年から2年間、サンパウロで同氏の指導を受けたFWフランサは「僕も口論になったことはあるよ。すごく怒鳴る人で、ブラジル人選手なら『なに!』とやる気を出すけど、日本人は萎縮(いしゅく)し、自信をなくしてしまう。それが変な方向に出ることもある」と心配した。今回の「劇薬処方」は、1歩間違えれば、チームを空中分解させる危険性もある。【盧載鎭】