浦和が、来季から勝利給の「定額給付金制度」を導入することが17日までに、分かった。J各クラブは、試合に勝った際、選手に基本給(年俸)のほかに勝利給のボーナスを支払うが、浦和の場合は従来、選手によって金額にばらつきがあった。信藤健仁チームダイレクターは「金額で選手のモチベーションに差がでるようなことがあってはいけない。さまざまな契約のあり方を見直す時期」と今後、選手や代理人側に理解を求める方針だ。

 勝利給の契約形態は、各クラブの判断でさまざまだが、およそ1試合1人あたり20~50万円が相場。だが、複数の関係者によると「浦和の場合は他クラブの倍近い」と、中には1試合100万円近くを手にする契約の選手もいるという。04年以降に大型補強が続いたことで、選手の前所属クラブでの契約内容を考慮したり、移籍交渉時の条件提示などで、各選手ごとの契約形態が複雑化。勝利給の金額にも差が出ていた。

 浦和では今季、下部組織からトップチームに昇格したMF山田直やFW原口ら若手が、主力に故障者が続出する中でレギュラーに定着。現在リーグ2位、ナビスコ杯決勝トーナメント進出と貢献度が高い。どの選手が出場しても同額のボーナスが支払われることで、関係者は「年齢や実績に関係なく、1試合での正当な評価につながる」という。クラブ側にとっては、チーム内の必要以上の格差をなくしながら、コスト削減も図る「改正案」となりそうだ。