鹿島オリベイラ監督(58)は24日、柏ネルシーニョ新監督(59)の「戦術などの手の内は熟知している」という挑発を知るよしもなく、悠然と構えた。J1史上初の17戦不敗記録がかかる柏戦に向け「(相手は)3バックの布陣で、時には5バックになって守備を固め、カウンターから前線勝負でくる」と分析し、指示を出した。

 ネルシーニョ監督の「趣向」は熟知している。02-03年シーズンには、ネルシーニョの退任を受けサンパウロを率いた。03年フラメンゴ、05年サントスでも、2人が前後してそれぞれチームを指揮。DF岩政によると「監督はネルシーニョとはブラジルでいろいろ交流があったようで、ネルシーニョのやり方に対する話はあった」という。

 前日23日の練習では柏の布陣を予想。控え組を「仮想レイソル」として主力組に対策をたたき込んだ。この日は攻守のセットプレーを確認して1時間ほどで練習を終了。不敗記録の更新を前に、FW興梠は「記録に名を残せることはうれしいことだと思う」と話し、DF岩政も「記録というのはこの世界では大事」と意気込んだ。実力に「名将の知恵」を加え、鹿島は新生柏を迎え撃つ構えだ。【菅家大輔】