<サテライトリーグ:札幌2-1大宮>◇23日◇札幌・宮の沢

 コンサドーレ札幌のDF曽田雄志(31)が、昨年8月23日の道都大との練習試合以来、1年ぶりに実戦復帰した。サテライトリーグ大宮戦に先発出場。安定したライン操縦と高いヘディングでDF陣を統率。前半45分間プレーし無失点に抑えた。昨年9月に両ひざを手術したベテランが、完全復活へ向けて1歩を踏み出した。

 曽田が闘う体を取り戻した。「スピードもジャンプも問題ない。ひざをかばうとか考えずにプレーできた。あとは90分できるかどうか」。公式戦としては昨年4月5日東京戦以来となる505日ぶりのピッチも、臆(おく)することなく声を張り上げDF陣を鼓舞した。07年J1昇格の立役者が輝きを取り戻した。

 3度の手術を乗り越え、ようやくスタートラインについた。昨年5月に椎間板(ついかんばん)ヘルニアと左ひざ半月板を連続して手術。道都大との練習試合で一度は実戦復帰したが、右ひざも負傷。公式戦3試合に出場しただけで9月に両ひざも手術し、シーズン後半を棒に振った。長いリハビリを経て、ようやくこの日、待ちこがれていたピッチに立った。

 復帰時期は未定も、見守った石崎監督は「試合に出られたということ自体が大事。指示だとか口でできるパフォーマンスは良かった」と期待を高める。リーグ戦は残り16試合。「自分が戻ることで昇格への最後の起爆剤になってもらえれば」。前節鳥栖戦は3失点とDF陣が不安定なだけに、経験豊富なベテランが完全復活を遂げれば、巻き返しへのカンフル剤となるはずだ。【永野高輔】