<J1:清水1-0神戸>◇第27節◇27日◇アウスタ

 「頂点」が見えてきた!

 清水が神戸を1-0で下し今季2度目の3連勝を飾った。GK山本海人(24)、DF岩下敬輔(23)らを中心とした守備陣が、安定した守りで3戦連続完封。後半37分、DF市川大祐(29)の今季初得点を守りきり、これでリーグ12戦、ホーム21戦不敗とした。貴重な「勝ち点3」をもぎ取り、首位鹿島との勝ち点差はついに1にまで迫った。

 この日も試合後のスコアボードには、大宮戦、山形戦と同様に「1-0」と表示された。自身初の3戦連続完封を果たした山本海は「最近は、守備が安定してる。難しい試合が多くなる中でよく戦えたと思う」と胸を張った。DFリーダーの岩下も「ここ2試合は完封してきた。今日も自信を持ってやれた。とにかく勝ててよかった」と、笑顔を見せた。

 序盤から主導権をにぎりながらも得点がなかなか奪えない。それでも、最後尾の山本海は集中力を保っていた。前半27分、ゴール中央で相手FW大久保がフリーで放ったミドルシュートに鋭い反応を見せブロック。「少し(DFとの)距離があった。どちらにも反応できるように準備した」と、相手の決定機を守護神が、こん身のスーパーセーブで死守した。

 24日に23歳の誕生日を迎えたばかりの岩下も持ち前のリーダーシップで守備陣を統率した。「前の選手は焦っている感じがあった。後ろは余裕を持ってやろうと思った」。前線からプレスをかける相手に対し、リスクを冒さず早めにロングボールを入れ対応。後半37分には、MF藤本の右CKで相手GKに競り勝ち、市川の決勝弾をアシストした。

 開幕前から「強固たる守備」を1つのテーマに掲げていた長谷川監督も「エスパルスらしい試合だったね」と、守備陣の踏ん張りをたたえた。首位鹿島との勝ち点差を1にまで迫り、周囲の期待は一気に高まる。岩下は「ぼく自身は優勝の経験がないし、ナビスコ杯とか悔しい思い出ばかり。チャレンジャーとして勝ち続けるしかない。プレッシャーはないです」と、はつらつと話した。「リーグ制覇」に向けた戦いは残り7試合。守備陣の「我慢」が貴重な勝ち点3を清水にもたらした。【為田聡史】