<J2:鳥栖1-1仙台>◇第45節◇18日◇佐賀県運動場

 2位仙台が、昇格争いの混戦を招いてしまった。5位鳥栖と1-1で痛み分け。後半11分、負傷から8戦ぶりに先発復帰したFWサーレス(23)が頭で先制したが、その4分後に失点。連勝を「3」で止められ、J1昇格圏外の4位湘南に、勝ち点3差に詰め寄られた。最短の昇格決定(3位以内確定)も、11月に持ち越された。

 後半ロスタイム。いちるの望みをかけたMF梁の右CKが、DFエリゼウの頭をとらえる。だが、球はクロスバーを越え、痛み分けを告げる笛が鳴り響く。第2クール以降、最も成績がいい(18勝5分け4敗)鳥栖を直接たたけず「勢いがある相手とはいえ、勝てなくて残念」と手倉森監督。上位4クラブの中で唯一、勝ち点3を取りこぼし「首位とも(勝ち点4差に)離されてしまった。悔しいです」と振り返った。

 勝ち点10差の5位鳥栖に引導を渡すはずだった。FWサーレスの先制まではプラン通り。公式戦で初めてコンビを組んだDFエリゼウと木谷の守備も、前半44分まで1本のシュートも打たせなかった。だが、先制の4分後にスキを許す。CKで鳥栖DF渡辺に競り負けたエリゼウは「点を取ってから相手が攻勢を強めてきて、ミスを誘われてしまった」と反省した。

 勝ち点の重みが増す残り6試合。先制アシストのMF関口は「リードを守れなかったのはダメ。今日のような展開で失点すれば、昇格争いが難しくなるのは当たり前。このドローを無駄にしちゃいけない」と、今後の修正点を指摘した。

 最短で25日の札幌戦だった昇格のXデーも、この日の結果で消滅。11月8日の水戸戦以降、残り4戦に持ち越される。10月昇格のもくろみが外れた指揮官は「我々が苦しんだ鳥栖はC大阪、甲府、湘南とも当たる。ほかも苦しむはず。そうポジティブに考えたい」と切り替えに必死だった。