コンサドーレ札幌のFW石井謙伍(23)が、選手生命をかけゴールを狙う。チームは31日、天皇杯3回戦でJ1清水と対戦する。MF藤田が腰痛、MF古田がU-18代表合宿参加のため、石井は右サイドハーフで先発起用されることが濃厚となった。今季いっぱいで複数年契約は満了と、来季契約の保証はない。昨季から2季22試合無得点と結果が出ていないだけに、残り試合で得点と契約更新を同時に奪いにいく。

 このままじゃ終われない。石井が07年11月18日のJ2京都戦以来、713日ぶりのゴールで来季契約を勝ち取る。複数年契約は今季で満了するが、現時点でクラブから契約の延長は告げられていない。それだけに「これがラストチャンスだと思っている」と危機感を高めて清水戦に臨む。

 今季は開幕スタメンを勝ち取ったものの、2戦目からはベンチに。出場は13試合、うち先発はわずか6試合にとどまっている。プロ2年目の06年途中にレギュラーを勝ち取り9得点を挙げるなど活躍するも、昨季から無得点と低迷。今季は持病の腰痛もあり、出場機会は激減している。先発は8月5日の福岡戦以来17試合ぶりとなるだけに「自分のサッカー人生にとって非常に重要な試合。アピールして今後につなげたい」と口元を引き締めた。

 来季は最低でもFW1人を補強することが確定しており、石井にとっては残された試合での活躍がチーム生き残りへの貴重な機会となる。矢萩竹美社長(59)は「残り4戦と天皇杯で(契約が)決まる選手もいる」と方針を明確にしている。残り試合で存在感を示せば、視界は大きく開かれる。石井は「自分のプレーをしっかり出して、J1相手に1発を決めたい」と清水討ちと来季契約を、同時に手中に収める意気込みでいる。【永野高輔】