コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(51)が4日、敗者のモラルについて説いた。3日のナビスコ杯決勝で、東京に敗れた川崎Fの選手数人が表彰台でメダルを外すなどした行為に「悔しいのは分かるが、あれはまずいこと」と苦言を呈した。勝敗に関係なく選手として常に礼儀正しくあることこそ、指揮官が求める真のプロ選手像。03年まで3季川崎Fで監督を務め、MF中村ら教え子も多いだけに強く憤った。

 最後の最後までプロであれ。石崎監督が、ナビスコ杯決勝の表彰式での川崎Fの一部選手の態度に激怒した。「一生懸命戦ったのだから、負けても胸を張っていい。あの行為はまずい」。国内外問わず、敗者がメダルを外すことが「美学」のようにとられる傾向にあるが、指揮官は最後まで紳士として居住まいを正すことこそ、真のプロの流儀だととらえている。

 元日の天皇杯決勝、柏監督としてG大阪に敗れた際も、表彰式前にあえて「しっかりとした態度で臨むように」と選手に諭したという。当時を知るDF石川も「気持ちは分かるけど、やっちゃいけない。あのときは石さんに“しっかりメダルをもらってこい”と言われた」と振り返った。今季は昇格戦線にも天皇杯にも敗れてしまったが、石崎札幌は残り4戦、最後まで誇りを持って戦う姿勢を貫く。【永野高輔】