<J1:浦和3-2磐田>◇第32節◇21日◇埼玉

 磐田FW前田遼一(28)が2得点を決め、02年以来7年ぶりの日本人得点王へ独走態勢に入った。0-1で迎えた後半10分、MF村井の左クロスを右足で合わせて同点。さらにその4分後には、右CKのこぼれ球を左足で突き刺し一時逆転した。今季通算20得点の大台に到達。暫定ながら、2位の浦和FWエジミウソンに3差つけて単独1位だ。しかし、終盤の再逆転劇でチームは敗れ、前田は「(20得点は)非常にうれしいけど…。勝ちたい」と、試合後に笑みはなかった。

 今季リーグ戦全試合フル出場し、02年に得点王になったFW高原直泰(現浦和)以来の日本人得点王へ大きく前進。当時磐田でプレーしていた高原を目標とし「アドバイスよりも見てまねをした」(前田)と、練習から自然と目で追うようになった。その「先輩」と同じピッチの上に立ち、目の前で成長を見せつけた。

 9月に1年3カ月ぶりに復帰を果たした日本代表では、今月の南アフリカ遠征に選ばれず落選。それだけに、視察に訪れた岡田監督に再アピールする2発となった。同監督も「2点取ったからいいじゃないの」と喜んだ。今年の代表戦はすべて終了したが、12月の代表候補合宿参加に向けていい印象を与えたに違いない。来年の南アフリカW杯まで前田の猛アピールは、まだまだ続く。【栗田成芳】