<女子サッカー:なでしこチャレンジリーグ参入決定戦>◇最終日◇23日◇静岡・時之栖スポーツセンター

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 adooma(アドゥーマ)は、イカイFCレディースを4-1で下し、1勝2敗でBグループ3位に入り来季なでしこチャレンジリーグ参入を決めた。引き分け以下で敗退という厳しい状況だったが、1-1で迎えた後半35分から9分間で3得点を挙げる脅威の粘りで、北海道のチーム初のなでしこリーグ参入を果たした。

 アドゥーマが道内女子サッカー史を変えた。22日の常盤木学園戦は0-5と大敗。グループ最下位で迎えた絶体絶命のピンチを、残り10分で覆した。04年のクラブ立ち上げから携わってきたGK小松綾子(31)は「これで、なでしこリーグが北海道でできる。あきらめないでやってきて良かった」と目を潤ませた。

 22日まで参入戦2試合無得点6失点とレベルの差を痛感させられた。後がなくなったこの日の朝のミーティングは「とにかくあきらめない」と誓い合うと同時に全員が号泣してしまった。「一回泣いてきたのが良かった」と小松綾。開き直ってぶつかった結果が思わぬ勝利をもたらした。

 参入決定を受け来季へ向けた準備も始めていく。今後は北海道を代表して戦うというイメージづくりのため、道協会と連携して公募によるクラブ名変更も検討。全国レベルの相手と年間15試合戦うために、セレクションを行い社会人組、中学生組と2チーム構成できるまで選手層を上げていくプランもある。

 山田静監督(38)は「厳しい1年になると思うが、道外の相手と年間通し戦えることは女子サッカー底上げには大きい」と言う。全日本選手権以外、道外チームと公式戦を組めなかった北国の壁を、アドゥーマがぶちこわした。【永野高輔】