J2首位の仙台がインフルエンザ禍に見舞われた。FW中島裕希(25)とDF一柳夢吾(24)が、クラブで初めて新型インフルエンザにかかったことが26日、判明した。最低でも5日間の療養が必要で、J2初優勝がかかる29日のアウェー徳島戦に2人とも出場できない。風邪の症状を訴える予備軍もおり、27日以降も感染が拡大する恐れがある。残り2戦のVロードに見えない敵が出現した。

 前日25日にマスク姿で帰宅した中島が、この日クラブハウスに姿を見せなかった。25日夜に寒気を訴え、26日朝に体温が38度を超えたため仙台市内の病院で検査。新型インフルエンザの陽性反応が出た。一柳は24日から体調がすぐれなかった。25日の検査では陰性だったが、一夜明けて陽性に変化。ともに5日間の自宅での隔離となった。

 昨季も入れ替え戦の前にインフルエンザがまん延した。優勝のかかる一戦に主力2人を欠くことが決まり「C大阪に勝ったと思ったら、新たな敵が現れた。まさに試練だね」と手倉森監督。うがい、手洗い、ファンサービス自粛などの対策もむなしく、今後5日間連続で、全選手がタミフルを服用することになった。

 2次感染の食い止めを急ぐ一方、拡大の恐れは消えない。この日朝、風邪ぎみのFW田中ら数選手も検査を受けた。幸い陰性反応だったが、手倉森監督は「予備軍も出てきた。12月5日の愛媛戦の前は紅白戦ができなくなるかも。他力だけど、今週末の徳島戦で決めたい」と心配。MF梁も「オレも明日になったら、おらんかもしれへんし」と危機感を募らせるなど、当面は悩みの種になりそうだ。【木下淳】