浦和が、ドイツ・ブンデスリーガ1部ケルンのブルキナファソ代表MFウィルフリート・サヌー(25)の獲得に動いていることが15日、分かった。サヌーはフライブルク時代にフォルカー・フィンケ監督(61)に師事しており、豊富な運動量と脚力を武器に、中盤から前線にかけて複数のポジションをこなすユーティリティー選手。王座奪還を狙う来季の即戦力として、年内の交渉成立を目指す。また、浦和はこの日、広島MF柏木陽介(22)の来季加入を発表した。

 浦和が「フィンケ・チルドレン」を獲得する。クラブ側は11月以降、フィンケ監督の要望を受け、20代半ばの外国人選手をリストアップ。強化担当者が欧州や南米を調査し、アフリカ人特有の身体能力を武器に、サイドハーフやFWなど複数のポジションをこなすサヌーを有力候補に挙げていた。既に水面下で交渉を開始しており、ケルンとの契約が来年6月まで残っていることを踏まえ、期限付きでの獲得も視野に入れて年内での合意を目指している。

 サヌーは08年6月末まで6シーズン、フィンケ監督が率いたフライブルクでプレーした。今季移籍したケルンでは控えに回っているが、世界ランク49位(日本は43位)のブルキナファソ代表メンバー。20歳でW杯ドイツ大会予選に続き、今季も南アフリカ大会予選に出場するなど、国際Aマッチ14試合3得点の実績がある。来年1月開幕のアフリカ選手権でも代表入りする可能性が高い。

 若手と現有戦力の強化を柱とした今季は、監督の人脈を生かした補強を控えてきたが、結果を求められる来季は即戦力が必要。豊富な運動量をベースにした攻撃力とチーム内の競争力アップが課題の浦和に、サヌーは格好の人材だ。この日、さいたま市内のクラブハウスでフィンケ監督は具体名を控えつつ「新しい選手が入ることでチーム全体にいい影響が出る。外国人枠を活用したい」と話した。

 浦和はサヌーとともに、ポルトガル1部FCポルトのセネガル人DFアブドライ・バ(18)ともC契約での獲得を目指して交渉中。今年8月に補強したガーナ人FWファイサルを含めて「アフリカン・パワー」が、王座奪回へのカンフル剤になりそうだ。