J1清水は、FWフローデ・ヨンセン(35)が筑波大との練習試合で今季“初ゴール”を決めた。開幕戦(対広島)に向け、エース岡崎の「相棒」が調子を上げてきた。

 キーワードは「JUST

 IN

 CASE(念のため)!?

 開幕に向けて、ヨンセンが“しれっと”ゴールを決めた。筑波大との練習試合で主力組の1本目に3トップのセンターで先発出場。終了間際の44分、ゴール前のこぼれ球をあっさり押し込んだ。これが今季の対外試合での「初ゴール」だったが、表情はいつものポーカーフェースのまま。「私はキャリアの中で、1000回以上の練習試合をやってきた。練習試合のゴールで、深い意味を考えたことはないよ」。昨季のリーグ戦で全34試合出場したFW岡崎に次ぐ、33試合に出場したベテランFWは泰然としていた。

 鹿児島キャンプ前に右臀部(でんぶ)に違和感を感じた。今年で36歳を迎えるベテランはメディカルスタッフから「念のため、別メニューで調整をするほうがいい」と気遣われたが、自らの意思で完全離脱はしなかった。「日本人は『念のため』という言葉がすごく好きだけど、外国人はあまり使わない」。準備を怠るという意味ではなく、本番で結果を出すための「自己責任」を強調したかった。

 この日のゴールは、調整遅れを心配していた周囲の不安を一蹴した。長谷川監督も「点を取るか取らないかは大きい。さらに調子を上げてほしいね」と喜んだ。チームを安心させるため“念のため弾”を披露する役者ぶりを発揮したヨンセン。「オカ(岡崎)のセカンドボールを自分が決めた。タイミングも合ってきた」と真っすぐに開幕を見据えていた。【為田聡史】