宮崎キャンプ中のJ1仙台と山形が27日、宮崎市内で練習試合を行う。今季初めて実現する「J1みちのくダービー」の前哨戦だ。山形は、ダービー特有の緊張感と、昇格した仙台の勢いを“逆利用”し、ほころびかけている守備の歯車を修正する構えだ。

 仙台への「ライバル心」を巧みに利用し、モンテ戦士が軌道修正する。ここまでのキャンプで練習試合を計635分間、約7試合分こなし8失点。小林監督が「間違いなく守備が不安定な状況にある」と明かすだけでなく、選手もDF面での連係に不安を口にする。

 そんな狂いかけた歯車を1発解消するカンフル剤として、開幕前最後の実戦にイレブンも期待する。ボランチの佐藤健は「モチベーションを引き出してくれるし、去年も(キャンプ)最後の試合で仙台とやって、いい感じになった」とニヤリ。GK清水も「(堅守という)山形らしさを取り戻したい。岐阜とやるのとでは訳の違ういい相手」と開幕へ弾みをつける考えだ。

 小林監督は「勝ち負けも大事だとは思うけど、ケガをして6週間のキャンプを壊さないことが大事」とした上で、こう続けた。「必然的に集中力が増す相手だと思う。あくまで湘南に照準を合わせるために、しっかりとした守備に戻したい」。1週間後の開幕へリズムを好転させる材料に、しゃかりきに攻めて来るであろう仙台を、利用させてもらう。【山崎安昭】