<J1:浦和1-0東京>◇第2節◇14日◇埼玉

 東京のFW平山相太(24)は、御前試合でアピールに失敗した。日本代表の岡田武史監督(53)が視察に訪れた浦和戦は、前半39分にDF森重真人(22)が累積警告で退場し、10人での戦いを余儀なくされ、自身のシュートはゼロに終わった。開幕横浜戦ではロスタイム決勝弾で代表入りをアピールしたが、肝心の岡田監督の前で結果を出せなかった。これで東京は04年11月3日のナビスコ杯でPK勝ちして以来、対浦和の公式戦は15戦勝ち星なしとなった。

 平山が沈黙した。10人となり、守備にも意識がいく中、いい形で攻撃の起点となれなかった。後半はヘディングで相手DFに競り勝ち、FW赤嶺、MF石川のシュートをおぜん立てしたが、自身のシュートはゼロに終わった。公式戦14戦勝ち星なしの浦和戦に、またしても勝てず、よほど悔しかったのか、試合後のコメントは残さずミックスゾーンを素通りした。チーム関係者は「相太が話さないなんて珍しいな。今までで初めてじゃないかな」と話した。

 W敗イヤーの今年にかける意気込みは違った。1月のアジア杯予選イエメン戦ではハットトリックで代表デビュー。J1開幕戦の横浜戦ではロスタイム決勝弾で代表入りをぐっと引き寄せた。サッカー専門誌には3月から月に1度、日記形式の連載が掲載される。12日には東京のクラブハウスでは連載用の写真撮影を行った。右手を股間(こかん)に、左手を頭に当て、腰を突き出す故マイケル・ジャクソン氏の物まねをしてカメラマンにサービスするなど、のりのりで迎えた浦和戦だった。14戦勝てない相手に「その記録も終わりになる」と勝利を予告して挑んでいた。

 だが、岡田監督が視察した御前試合で2戦連発ゴールはお預け。対浦和15戦ぶり勝利も導けなかった。3日のアジア杯予選バーレーン戦では、ロシアリーグ開幕戦でゴールを決めた日本代表MF本田圭佑(23=CSKAモスクワ)がFWで起用された。代表のレギュラー争いがし烈になる中、結果を出すことができなかった。【塩谷正人】