<J1:C大阪3-1京都>◇第5節◇3日◇長居

 MF香川真司(21)の2発でC大阪がJ1復帰後、初勝利を挙げた。ホーム京都戦で3-1と快勝。前半31分に先制弾を奪うと後半7分に2点目を決めた。2戦連続ゴールで今季初勝利に貢献した。7日セルビア戦(長居)の日本代表メンバーから外れた悔しさを晴らす活躍を見せ、最後までW杯南アフリカ大会出場をあきらめないと宣言した。

 満開になった桜のように香川が、輝きを放った。前半31分、MF乾のスルーパスからドリブルで相手DFをかわし、倒れ込みながら左足で流し込む。後半7分にはゴール前の混戦から左足を必死に伸ばして2点目。エースの2発がC大阪を4季ぶりのJ1勝利へ導いた。「スペースがあったので、やりたい攻撃ができた」と自信満々に言った。

 7日セルビア戦の日本代表メンバーから落選。W杯南アフリカ大会出場の可能性が低くなり「代表に入る方がおかしい」と自分を見つめ直した。コーチ陣がつくったVTRを見て、ドリブルの仕掛け方などを見直し浮上のきっかけをつかもうとした。「勝てなくて落ち込んでいた時に(VTRを)つくってもらったのが大きかった」と感謝した。

 日々の努力が実った。「サッカーはテクニックよりも走ることの方が大事」と言う。昨年12月下旬、欧州移籍を希望し、ドイツのデュッセルドルフを訪れた時、寒波で気温はマイナス20度に達した。それでも、カチコチに凍った路面を約1時間以上、走り続けた。W杯のピッチに立ちたいと思うから、極寒の中でも自然と体が動いた。

 「もう(W杯出場は)厳しいのは分かっている。でも、あきらめたら終わり。Jリーグで結果を出すことに集中したい」と言った。J1初勝利の次は大逆転でのW杯出場が目標だ。レビークルピ監督も「真司は自分のプレーを信じて努力すれば、日本一の選手になれる」と太鼓判を押す。J1でゴールを決め続け岡田監督の振り向かせてみせる。【奈島宏樹】