ゴンが地獄の連戦突破への極意を説いた。コンサドーレ札幌は25日のホーム水戸戦から15日間で5試合をこなす今季最大の大型連戦に突入する。九州遠征2度を含む死の2週間。幾多の修羅場をくぐりぬけてきたFW中山雅史(42)が、この試練こそが巻き返しへのポイントになると明言した。ゴンが掲げた連勝方程式は「初戦を勝つ」こと。まず水戸戦で2試合ぶりの勝利を挙げ、勢いに乗る。

 まずは最初が肝心だ。札幌は25日の水戸戦から5月9日の北九州戦まで15日間で5試合をこなす。その間、チームが予定する空路移動は計7回。大型連休と同時にやってくる試練を前にした24日の練習後、ゴン中山は「初戦は結果がほしい。いい流れを呼び込むためにも1発目が大事だ」と重要性を強調した。

 数々の死闘をくぐりぬけた男だからこそ説得力がある。短期連戦の特徴について「アジアで戦っていたときもそうだが、勝っていれば疲れも気にならないが。逆に負けるとひきずりやすい」と言う。J年間王座とアジアクラブ選手権を同時制覇した99年は15日間に、日本とイランを往復し5連戦。国内外無傷の5連勝を果たした。

 過酷な日程を乗り切るには、まず最初の1勝。それが、Jリーグだけでなくアジアや世界をまたに戦い抜いてきた大ベテランが導き出したシンプルかつ重みある答えだ。

 当然、自らも初のゴンゴールでチームを勢いづけるつもりだ。11日の柏戦では初めて出場機会を失っただけに、高ぶるものがある。出場となれば0-3と大敗した4日の岐阜戦以来3週間ぶり。「得点?

 試合に入った中で、うまく感じ取っていければ」。4月25日は12年前の98年福岡戦で、3試合連続ハットトリックを達成した日でもある。ギネス記録となった4連続ハットにつながる伝説の“ゴン”ルデンウイーク再現も狙いにいく。

 「1つのボールにいろんな人間が絡めば、チャンスも多くつくれるし、そうなれば得点も増える」。この日の練習中にはMF芳賀とともに無回転ボールでのFK練習をこなすなど“らしくない”一面も見せた。4月は自身最多のリーグ32得点。ヘッドか、FKか?

 25日の水戸戦はゴンに何かが起きるかもしれない。【永野高輔】