<天皇杯:ソニー仙台1-0仙台>◇2回戦◇5日◇ユアスタ

 12年ぶりの「仙台ダービー」で金星が飛び出した。ソニー仙台(JFL=宮城)が、昨年度4強のベガルタ仙台(J1)を延長戦の末に下し、2つ上のカテゴリーから勝利。0-0で突入した延長後半1分にMF桐田英樹(30)が決勝ヘッドを奪った。

 耐えて、耐えて、やっとつかんだチャンスを逃さなかった。0-0の延長後半1分、右サイドでボールを持ったソニーMF大滝が、縦にアーリークロスを入れる。これに途中出場のMF桐田が反応。裏へ抜けてベガルタDFエリゼウを振り切り、目いっぱい体を伸ばして頭で合わせた。気付くと、ゴールネットが揺れている。ヒーローは駆け寄る味方の歓喜の渦に吸い込まれ、ベンチでは田端監督が満面の笑みで跳びはねた。

 カテゴリーなど関係ない-。仙台ダービーはJ1、JFLの立場を超えた激戦になった。試合前、ソニーの選手紹介にベガルタのサポーターから拍手が送られる。だが、ソニー側のスタンドは終始「ベガルタ倒せ!」とコールしていた。狙うは、ジャイアントキリング(大物食い)だった。

 3日の1回戦で福島ユナイテッドに3-2で勝利。だが、延長120分を戦っていた。中1日。サッカーでは異例の強行日程で格上に挑み、この日も延長戦に突入した。試合前日、ベガルタFW中原から連絡をもらったFW大久保は「延長を戦って、まだ頭が痛いです」と返すほど消耗していたが、アドレナリンが体を突き動かした。無尽蔵のスタミナを誇るMF麻生を筆頭に足が止まらなかった。

 田端監督は同じ青森県出身の手倉森監督から何度も食事に誘ってもらい、昨季の快進撃の体験談を聞いていた。今季のリーグ中断期間中も会い、強化のアドバイスを受けていた。その結果、勝って手痛い恩返しを見舞った。10月9日の3回戦は、現在J1で2位のC大阪に挑む。会場は、この日と同じユアスタ。次も歓喜で沸かせる。【木下淳】