“勝ったことは前向きにとらえるんじゃ”。コンサドーレ札幌は6日、札幌・宮の沢で練習を行った。5日の天皇杯2回戦は、グルージャ盛岡(岩手)に4発で快勝。石崎信弘監督(52)は格下相手ながら「悪くなかった。前への姿勢も出ていた」と評価。終盤に押し込まれる課題はあったが、結果を優先に考える姿勢を見せた。

 常に内容にこだわってきた指揮官が、シンプルに評価した。「相手のレベルのこともあるが、勝ったことは前向きに考えないと」。同じ天皇杯2回戦では、仙台やJ2東京VなどJクラブが、下部リーグ相手に敗れる波乱があった。リーグ戦で3試合勝ちなしと結果が出ない中、初戦を突破したことを重視した。

 収穫もあった。出場停止のDF藤山に代わり、センターバックに入った吉弘について「高さという良さを出してくれた」と話した。FW近藤は右太ももの張りを抱えていた内村に代わって5戦ぶりに先発し、1ゴール1アシストと貢献した。「後半のポストプレーは良かった」。途中出場で3点目の起点になったFW横野についても「試合にうまく入れている。これで点が取れればまた変わる」と評価した。「計算できる選手が限られている」と話していた指揮官は、控えから抜てきした選手の奮闘に手応えを感じ取った。

 「これがいいきっかけになってくれれば」。次は11日のリーグ大分戦。1つの結果を、チーム内競争につなげていく。【永野高輔】