磐田GK八田直樹(24)が、10日のナビスコ杯準決勝第2戦川崎F戦(等々力=午後3時)で緊急出場する。9日の前日練習後、右足内転筋を痛めていたGK川口が出場を断念。代わって出番がまわってきた。J勢との対戦では7月31日のC大阪戦以来の先発。八田は「緊張感のある試合になる。自分がピッチに立ってどんな感じになるか分からないけど、力を入れすぎずにやりたい」と話した。

 プロ入り後、初めての屈辱を味わった。長期離脱していた川口に代わって、今季は開幕からゴール前に立ち続けた。しかし、同杯では予選リーグ全6戦に先発し、1位突破に一役買ったもののリーグ戦では結果に結びつかず、川口が復帰した8月に正GKの座を譲り渡した。「チームが勝てなくて自分も交代して、責任を感じていた。プロになって初めての交代だったから、今までで一番悔しい思いだった」と振り返った。

 思わぬ形での復帰に「まさかこんな状況で出番がくるとは思わなかった」と驚くが「今年のラストチャンスをものにできたらと思う」と自ら奮い立たせる。あとはやるだけ。これ以上ない舞台が、整った。【栗田成芳】