<J1:C大阪0-0仙台>◇第27節◇23日◇金鳥スタ
仙台が敵地でC大阪の猛攻に耐えスコアレスドロー、貴重な勝ち点1を確保した。仙台が放ったシュートはわずか3本で相手の8分の1。しかも後半は0本。ディフェンス主体の試合運びでピンチをしのぎ続けた。
この試合を象徴する幕切れだった。ロスタイムに入った後半49分50秒。MFアマラウのFKがクロスバーを直撃して試合終了の笛が鳴った。「あれは触れなかった」。GK林卓人(28)は振り返ったが、もし入るコースなら手は届いていたに違いない。それほど、この日の林の間合いは完ぺきだった。
シュート数は仙台3本に対し、C大阪24本。これでもかという波状攻撃を林が防ぎ続けた。前半42分にMF家長のミドルシュートを右手1本ではじき出すなど、好セーブを連発。圧巻は後半13分。ゴール前でクリアの球がこぼれ、家長と至近距離で1対1になる。だが、迷いなくシュートに飛び込んでブロックした。
地元の大阪で燃えた。「把握はしてないけど、家族や友人は来てくれてるはず」。会場のある長居公園は金光大阪高時代に何度も試合をした場所。高校時代に強化指定選手として期待してくれたC大阪にも恩を返したかった。相手の元日本代表DF茂庭に「止めすぎだよ」と言わせたほど、躍動した。
シュートは前半24分のMF関口が最後。後半は0本だったが、手倉森監督は「いいんだよ。今日は我慢比べで守ると決めたんだ」と胸を張る。後半26分、FW赤嶺を下げてMF千葉を投入。1-1から残り2分で決勝点を許した名古屋戦の反省を生かし守り抜いた。
「守備に追われ、自分を含めて足をつる人も多くて攻撃に出られなかった」(関口)。体力計算も今後の課題として見えたが、我慢し切れなかった過去に比べれば確実に成長している。佐藤GKコーチが「今日は(林)卓人の好判断に尽きる。位置取りが良く、DFも体を寄せてコースを限定してくれる」と言えば、DF鎌田も「ミドルなら卓人さんが止めてくれる。みんなで自由にさせない守備ができつつある」と話した。
林は言った。「まだJ1で攻め続けられるレベルじゃない。しんどいけど、割り切って守備して勝ち点が奪えればいい」。【木下淳】



