J2横浜FCのFWカズ(三浦知良=43)が27日、プロ26年目の来シーズンを語った。前日に現役続行宣言をした最年長Jリーガーは、この日の練習後に今の心境を激白。6試合わずか51分の出場にとどまっている今季を振り返りながら「残り7試合に集中しながら、将来のことも考える」と、この時期にしては珍しく来季のことを口にした。横浜FCは11月にも契約更新のオファーを出す予定だが、カズ自身は「選択肢はいろいろある」と移籍を含めて考えることを示唆した。

 カズの口からは、来季への思いがあふれた。「決めているのは、プロとしてプレーすること。プロだから(来年のことを)真剣に考えなければいけない」。これまではシーズン終了までは翌年のことを口にすることは少なかった。

 しかし、今年は違う。昨年からルールが変わって移籍などの動きが早くなったこともあるが、何よりも1年1年という気持ちが強くなったことが口を滑らかにした。

 チームは6位でJ1昇格に可能性を残すが、カズ自身は今季出場6試合だけ。51分のプレー時間は「(プロ)25年でも経験がない」という。「でも大事なのは中身」と話し「前向きでやれたし、素晴らしい1年だった」と振り返った。それでも、一方では常に口にする「先発して90分プレーする」の目標もある。だからこそ、43歳でも「(プロ選手としての)将来を真剣に考える」と言った。

 横浜FCとは1年契約。「まだ何も聞いてないし、話していないよ」とカズは言ったが、クラブ側は契約を更新する方針だ。強化担当の北川浩史取締役はこの日「戦力として、またチームの中心として、クラブへの貢献度も高い。詰めなければいけない部分も残っているが、来月には本人と話をする」と説明した。

 前日は「来年、再来年もプロでプレーしたい」と話したカズは、この日は「あと6年。50歳まで」と具体的に言った。現実的には難しいが、近年になく体のキレがいいことが言葉の裏付けになる。「まだ自分のプレーは出せると思っている」と胸を張った。

 「自分を評価してくれるクラブがあれば」と、移籍も視野にあることを明かした。もちろん、43歳に魅力的なオファーが届くかは疑問もあるが、カズ自身は横浜FC残留も含めて「いろいろ選択肢はある」とした。