コンサドーレ札幌が来季の強化費を大幅カットする可能性があることが7日、分かった。クラブでは厳しい財政事情を考慮した上で、削減幅を想定。今季は4億5000万円だったが、すでに3億5000万~4億円に設定して来季の編成に動き始めている。4億円以上の強化費は厳しいもようで、来季の選手補強にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。チームはこの日、千葉を1-0で下し、ホーム6試合ぶりの勝利を挙げた。

 昇格失敗の影響は来季チーム編成にも大きく影響することになった。強化費について矢萩竹美社長(60)は明言は避けながらも「幅は持たせてあるが4億を超えるのは厳しいのでは」と削減を示唆した。期限付き移籍中のダニルソン、西の復帰はJ2残留の影響で既に厳しい状況。そこに加えて約1億円のカットを視野に入れたチームづくりを課されることになった。

 原因はホーム試合減少にともなう興行収入の予測にずれが生じた点。今季予算は、ホーム試合が8試合減少しながらも同収入を前年比112%と予想。だが想定した4億円に満たないことが濃厚となり、来季へ向けた全体予算の見直しが急務となった。同社長も「今季のデータをベースにして、来季はより現実的な予算を立てなければならない」と話しており、強化費も圧縮が不可欠となった。

 クラブ側は「昇格を目指さないわけではない。現実にその額でも達成したケースもある」と、あくまで育成型への方針転換は行わない方針だ。05年の甲府が2億6000万円、08年山形は3億9000万円と少ない強化費でJ1昇格を果たした例はある。

 それでも、日本代表経験者や、J1で実績のある中堅以上の選手は年俸も高額。そうした選手を獲得するには、資金力も必要で、補強への影響は避けられそうもない。年内は大手スポンサーへの支援増を呼びかけるなど、最大の4億円に近づける努力は続けていくが、早々に昇格は消滅しており、道内の経済状況から考えても、チームには向かい風が吹いている。