<J1:浦和2-0京都>◇第30節◇14日◇埼玉

 「これが最後の機会になるかもしれない」。左足首痛から約1カ月ぶりの実戦復帰で、浦和の勝利を決定づけるゴールを決めたMFポンテ(34)は試合後、涙を流しながら場内を1周した。約5年間の在籍中、声援をくれたサポーターに手を振った。今季限りで退団する意思を示した。

 「残念ながら裏でいろんなことが起きている。(クラブを)出なければならないのなら、面と向かって言ってほしい」とフロント陣への不信感を口にした。クラブ側は非公式ながら、新潟MFマルシオ・リシャルデスに獲得交渉の打診をするなど戦力編成に着手。その一方で、ポンテの去就には明確な結論を出していない。柱谷GMは「代理人もいるし、シーズン中でもあるので、まだ話はしていない。それは他の選手も同じ。(来季の戦力は)クラブとして総合的に判断する」という。

 橋本社長は監督人事を含めた来季のチーム構想を今月末までに判断する考えだが、選手たちの中には、方向性が見えない現状への不安や戸惑いが生じている。4試合ぶりの白星で来季ACL出場権獲得に望みをつないだが、結束力を高めなければならない時期に、内部崩壊しかねない危険をはらんでいる。【山下健二郎】