鹿島が清水の日本代表MF本田拓也(25)の獲得に動いていることが9日、分かった。対人守備能力と展開力をハイレベルで兼ね備えたボランチを、オリベイラ監督が高く評価。すでに正式オファーを出しており、今週中にも本格交渉に入る。清水との3年契約を2年残す本田には、1億円近い移籍金がかかる。移籍が成立すれば、契約切れで移籍金がゼロになる現行ルールでは、移籍金が発生する初の国内移籍になる。

 今季リーグ4連覇を逃した鹿島では、円熟期を迎えるMF小笠原、中田らに代わるボランチが、重要な補強ポイントになっていた。生え抜き選手を軸にするスタイルのクラブにとって、日本人選手の大型補強は97年DF名良橋、03年大岩、04年新井場以来。移籍金を払ってでも獲得したいという姿勢からも、本田に対する高い評価がうかがえる。

 本田は清水で今季先発に定着。活躍が認められ、ザックジャパンにも選出された。自分を育ててくれたクラブに強い愛着はあるものの「自分をもっと磨きたい」という思いも強く、強豪鹿島のラブコールには心が揺らいでいるという。契約中の清水は、2500万円(推定)に年俸を上げる提示をしている。鹿島はこれを上回る条件も準備するなど、全力を挙げて獲得交渉に臨むとみられる。