磐田が過去の失敗を教訓に「開幕完全リハーサル」を実施する。磐田は3月5日に今季J1昇格の甲府とアウェーで戦い、今季の幕を開ける。その1週間前の2月27日、遠征先でJ2岐阜とプレシーズンマッチを行うことが20日までに明らかになった。柳下正明監督(51)の就任以降、2年連続昇格チームに開幕黒星を喫しており、前日現地入りする遠征スケジュールまで経験する狙いだ。

 3年連続昇格チームとの開幕戦という皮肉な巡り合わせとなった磐田が、今度こそ負の歴史に終止符を打つ。09年に山形戦で2-6の大敗を喫し、昨年は仙台に0-1で完封負け。今季も開幕カードは甲府。しかし、若手合同自主トレを見守った柳下監督は「例年、何試合か経過してからチームはよくなっている。キャンプでは『ゲーム合宿』でコンディションをよくしたい」と調整プランに自信を見せた。

 2月10日からの鹿児島キャンプでは2日に1試合を予定し、フィジカルメニュー中心の例年に比べれば異例の試合数だ。さらに直前には「開幕完全リハーサル」も予定。開幕1週間前の同27日に、アウェーで岐阜とのプレシーズンマッチを予定。同じ東海地区ながら前泊するなどの本番モードで行うことで、仮想開幕戦の様相だ。同監督も「開幕に向けていいシミュレーションになる」と、万全の準備でシーズンに挑める。

 一見、格下相手で有利にも見えるが、過去2年は相手のJ1での戦いぶりが分からないまま手探りで臨み、苦汁をなめてきた。しかし、事前の情報戦で屈してきたのは過去のこと。この日からチーム練習に参加したGK川口能活(35)も「試合をやらないと、試合の中での課題は出てこない。手ごわい相手だけど、まずは自分たちのやることをしっかりやる」と話すように、過去から学び対策を練った。【栗田成芳】