Jリーグ各クラブが合同で「U-22世代強化計画」を策定していることが分かった。Jリーグ関係者が4日、明言した。出場機会に恵まれないJ1クラブのU-22世代がJ2クラブに期限付き移籍する場合、同移籍に伴い派生するレンタル料を0円または極力安くするという方向性を全クラブ間で整えている。この「紳士協定」が成立すれば、U-22世代が出場機会を得るための移籍が容易になり、東日本大震災の影響で経営不振に陥る可能性のあるJ2クラブにとっても救済策となる一挙両得の計画だ。

 Jリーグ各クラブが、ロンドン五輪を目指すU-22世代の強化に動きだした。この「紳士協定」は既に6月30日に行われた強化担当者会議でも討議されており、今月15日から8月12日にかけてのJリーグの夏の移籍期間から採用される可能性が高くなった。

 Jリーグ関係者は「22歳以下の世代が出場機会がなく、伸び悩むケースが多い。そこの出場機会をどうするか。レンタル料を0円またはそれに近くできれば、その世代の移籍も活発になる」と証言。対象は高卒でプロ入りする18歳から22歳の世代になる見通しだ。

 移籍の規約を変えるわけではなく「紳士協定」はあくまで各クラブ間で調整するもの。東日本大震災の影響で経営が厳しくなっているJ2クラブも、レンタル料が減額または生じなければJ1クラブ所属で出場機会がない若手を期限付き移籍で獲得しやすくなる。

 J2クラブが「財布に優しく」チーム力を強化できると同時に、U-22世代の選手たちの出場機会も増やすことが可能。9月からロンドン五輪アジア最終予選が始まる関塚ジャパンにも所属クラブで出場機会を得られていない選手がおり、その選手たちが出場機会を得られればU-22代表強化にもつながる。

 当然、状況に応じてレンタル料が生じるケースもあるが、Jリーグ関係者は「極力レンタル料を生じさせないようにしたい」と話した。常に課題となるU-22世代の出場機会増、そして強化のためにJクラブが一致団結する。