<高円宮U-18プレミアリーグ・イースト:札幌U-18

 3-1

 浦和ユース>◇第8節◇10日◇札幌サッカーアミューズメントパークほか

 コンサドーレ札幌U-18が、3-1で浦和ユースとの首位攻防戦を制した。前半8分に失点も、同10分にFW榊翔太(17)、同16分にMF荒野拓馬(18)のゴールで逆転。後半36分は途中出場のFW下田康太(17)が3点目を決め、突き放した。札幌U-18は8戦5勝3分け無敗で勝ち点18。16日の第9節東京U-18戦に勝てば、堂々の前半戦首位ターンだ。

 そつのない攻撃で札幌U-18が浦和ユースを一蹴した。1-1の前半16分、DF小山内貴哉(18)のロングフィードを相手GKがファンブル。こぼれ球をMF荒野が押し込んだ。「貴哉のボールを狙っていたので、すぐ詰められた」。榊の同点弾から、わずか6分で試合をひっくり返した。

 8試合を終え2位浦和に勝ち点5差をつける快調ぶりだ。四方田修平監督(38)は「トップ登録が多いことが、いい刺激になっている」と言う。今季は常時帯同の荒野を含めDF奈良、MF前ら史上最多6人が2種選手としてJリーグに登録。同世代では高いレベルにある高校生たちだが、プロにまじり練習すれば自然と新たな課題が出てくる。それを克服し成長するという好循環ができあがった。

 世代別代表で活躍する選手の存在も大きい。MF深井一希、GK阿波加俊太(ともに16)はU-17W杯に出場し、9大会ぶり8強入りに貢献。準々決勝でブラジルに惜敗したが深井は「ボールを受ける前の動作が大切」と世界の大舞台から学んだ。この日の先発11人中、候補も含めれば8人が世代別代表を経験。素材よし、環境よしという抜群の条件の元で、勝利を積み上げてきた。

 それだけじゃない。四方田監督は「代表でいない選手も計算しながら戦っている。14から15人ぐらいは誰が出てもチームの力を変えずにやれる」と言う。得点ランク2位(5得点)の榊がU-18代表で戦列を離れたときは鈴木、近藤ら他の選手が爆発。この日、初得点の下田を含め12人で20点と、誰が出ても点が取れるのが強みだ。2種選手登録した選手と、未登録選手との競争も激しい。高い意識と分厚い選手層。札幌U-18が、初代王者への道を着実に進み続けている。【永野高輔】