サッカー元日本代表でJFL(日本フットボールリーグ)松本山雅のDF松田直樹(34)が2日午前、急性心筋梗塞のため、長野県松本市内のグラウンドで練習中に突然倒れ、同市内の病院に緊急搬送された。搬送時には意識がなく、心肺停止状態だったという。集中治療室(ICU)で人工心肺装置を使って血流を維持し、微弱ながら心臓の鼓動は戻ったが、同日夜に会見した担当医は「極めて厳しい状況」と説明した。

 ◆大分・西別府病院スポーツ医学センターのセンター長

 松田貴雄医師

 詳しい状況が分からないので即断はできませんが、おそらく循環器系統に何らかの異変が生じたと思われます。原因としては、心臓が不整脈を起こして心筋梗塞を起こしたものと推察できます。このようなケースでは事前に察知するのは難しい。心臓の既往症がなく、普段元気な人は精密検査をすることもないので、身体に変化が起こっていることを自覚できません。不整脈は本来、心臓が収縮するときに、その合図が心臓の神経に伝わらないことから発症しますが、その原因は解明されていません。倒れて心肺機能が停止してしまった場合は、すみやかにAEDによる蘇生法を試みることが重要になります。

 松田選手が倒れたときは、温度24・6度、湿度が70%以上、しかも、曇りだった。練習も軽いランニング程度だったし、ほとんど直射のない中でもあり、熱中症が原因であることは考えにくいですね。