サッカー元日本代表でJFL(日本フットボールリーグ)松本山雅DF松田直樹さんが4日、長野県松本市内の病院で心筋梗塞のため死去した。34歳だった。2日の練習中に急性心筋梗塞による心肺停止で倒れ、集中治療室(ICU)に運び込まれていた。容体は回復せず、家族に見守られながら息を引き取った。

 00年春。とあるリーグ戦の試合中に、松田さんはピッチ上でボールに座り、相手を手招きしながらののしった。「お前ら、ボール取りに来いよ!

 キンタマ付いてるのか!」。試合終了まで5分。勝っていた横浜は、そのままのんびり最終ラインでボールを回して、時間の経過を待てばよかった。

 ホームで負けているのに、攻めてこない相手に腹を立てた。試合はそのまま終了。試合後も怒っていた。「あいつらはプロじゃない。必死に戦ってくれているサポーターの気持ちが分からないのかな」。敵、味方関係なく、常に真剣にファンのことを考えていた。

 後日、冷静になった松田さんに聞いた。「だって2年後には、日本でW杯をやるんだよ。Jが盛り上がらないと、W杯も成功しないよ」。当時まだ23歳。私生活ではやんちゃな一面もあったが、プレーは常に真剣だった。【97~98年担当・盧載鎭】