青森県弘前市のサッカークラブ、リベロ津軽SCの佐藤泰我(たいが=13、弘前東中1年)が、世界的強豪FCバルセロナ傘下のクラブチーム、CEジュピテルに入団することが決まった。明日15日、現地へ向けて弘前を出発する。ジュピテルはバルセロナを拠点とし、100年以上の歴史を持つ名門。将来FCバルセロナ入団を目指す佐藤が、夢実現へ向けて羽ばたく。

 佐藤は今年3月と7月、スペインにサッカー留学。セレクションの結果、9月中旬にオファーを受けた。16日成田を出発。現地到着後にジュピテルと手続きをし、メディカルチェックを経て正式に入団登録。順調に行けば、すぐにも年代別カテゴリーの公式戦に出場できる見込みという。

 リベロ津軽SCではU-15のFW、MFとして活躍。日本サッカー協会のナショナルトレセンにも参加した。だが目標はあくまで海外、それもスペインだった。あこがれの選手はFCバルセロナのメッシ。今年3月に現地でその試合を観戦した佐藤は、そのプレーの素晴らしさに感激のあまり、涙を流したという。

 プロとして活躍するという佐藤の目標には、今年強烈な理由が加わった。「お金を稼げる選手になり、東日本大震災で被害を受けた東北の被災地のために使いたい」と言うのだ。トレセンで一緒になった被災県の選手たちと話したこともきっかけだった。「そのため何としてもスペインで頑張りたい」と決意は固い。

 「息子は感受性が強い。サッカーにはそれも大事」と父の裕士さん(40)。佐藤が小さい時からリーガ・エスパニョーラ、セリエAなどを一緒にテレビで観戦。練習、試合とバックアップし佐藤を育てた。13歳の少年が現地の学校に転校、ホームステイで暮らす。「寂しくなるが、夢に向かって突き進む息子の決断を尊重した」という。

 津軽からバルセロナへ。大きな夢へ向かっていよいよ第1歩を踏み出す。佐藤は「コミュニケーションが大事。まずはスペイン語をしっかり勉強したい」と目を輝かせた。【北村宏平】

 ◆佐藤泰我(さとう・たいが)1998年(平10)6月30日、青森県弘前市生まれ。小学校3年から弘前東SSSでサッカーを始めた。同5年の時、リベロ津軽SCに移籍。これまで地区・県・東北・ナショナルの各トレセンに参加。青森県選抜にも選ばれた。またイタリア、アルゼンチン、スペインにサッカー留学。家族は両親と妹。利き足は左。155センチ、42キロ。血液型O。