<高校サッカー青森大会:青森山田2-0光星学院>◇30日◇決勝◇青森県総合運動公園陸上競技場

 青森山田が光星学院を下し、15年連続17度目の全国選手権出場を決めた。前半は0-0で折り返したが、後半DF縣(あがた)翔平(2年)とFW林雄紀(2年)がゴール。無失点で守りきった。プレミアリーグイーストで現在4位と健闘の青森山田が、節目のV15を達成した。

 青森山田イレブンの笑顔がはじけた。後半15分、MF差波優人主将(3年)のクロスを、縣がダイレクトでボレーシュート。ゴールネットを揺らした。緊迫したムードを突き破る先制弾に、応援席から歓声が上がった。同22分には林が右足で蹴り入れた。

 スーパーシードで前日(29日)の準決勝が初戦だった。光星学院も力をつけ、近年にない苦しい決勝。黒田剛監督(41)は「簡単にはいかないと思っていた。80分のスパンの中で必ず前線が点を取るから、後ろはあわてずしっかり守ること。それができた」と言う。

 2アシストの差波は「平常心で自分たちのサッカーを貫き通せたのが勝因」と話した。前日、ナビスコ杯で鹿島が優勝。1年先輩で主将だったMF柴崎岳(19)が一翼を担った。「岳さんはすごい。自分たちも頑張らないと、と励みになった」と感謝した。

 夏に柴崎がケガをし、青森に帰った時、差波は主将としての心構えなどアドバイスを受けた。「その後、気持ちをしっかり持てるようになった」と言う。選手権で前々回準優勝。黒田監督は「柴崎は高校時代あと1歩で逃した国立競技場でのタイトルを(ナビスコ杯で)取った。青森県民の誇り。選手たちの刺激になったはず」と言う。

 「選手権は優勝が目標だが、地に足をつけて1戦1戦大事に戦う」と差波は力を込めた。【北村宏平】