<高円宮U-18プレミアリーグ・チャンピオンシップ:広島ユース3-1札幌U-18>◇17日◇埼玉スタジアム

 初代王者を狙った札幌U-18が、広島ユースに敗れ、悲願の日本一を逃した。後半4分にPKで先制点を許し、その後も同6、18分に失点。同42分に1点を返したものの及ばなかった。今季はトップに昇格する5選手を擁し、初開催となったプレミアリーグEASTで優勝。栄冠には届かなかったが、J1昇格を果たしたトップチームに負けない奮闘を見せた。

 無情のホイッスルが札幌U-18の敗戦を告げた。選手たちは思わず天を仰いだ。広島ユースの喜ぶ姿が目に入る。涙がこみ上げ、その場に座り込んだ。前身の高円宮杯全日本ユース選手権で準優勝を果たして以来、6年ぶりの全国決勝の舞台だったが、悲願の日本一はならなかった。

 与えてはいけない先制点を献上した。0-0で迎えた後半4分にPKで失点。精神的に動揺した。その2分後にCKから追加点を許した。四方田修平監督(38)は「ゲーム自体のプランが崩れてしまった。少なからず失点のダメージがあった」と敗因を話した。

 後半42分にはMF中原彰吾(17)のゴールで1点を返したが、2点差を前に力尽きた。来季からトップに昇格するMF荒野拓馬(18)は「勝ててないことは自分のパフォーマンスができなかったということ。最後だったので悔しい」と涙ながらに話した。

 J1昇格を果たしたトップチームからベンチコートを借りて試合に臨んでいた。スタンドの応援も含めて全32選手が会場に集結。チーム全員で戦った。埼玉スタジアムには約500人のサポーターが声援を送った。北海道では積雪のため札幌ドームを練習場として開放してもらうなど、多くの人の尽力があった。DF永井晃輔主将(18)は「結果は出なかったけど、自分たちの良さは出せたと思う。胸を張って北海道に帰りたいです」と前を向いた。

 敗れたとはいえ、ここまでの奮闘が色あせることはない。四方田監督は「北海道のチームとして拮抗(きっこう)した試合を年間を通じてやれたのが大きかった」と激闘の1年を振り返った。来季は5選手がトップチームに昇格する。それ以外の選手も大半が大学や就職先でサッカーを続ける。永井主将は「素晴らしい舞台で経験できた」と悔いはない。最高の仲間たちと戦った思いを胸に新たなステージに進む。【石井克】