<プレナスなでしこリーグ:INAC神戸2-1新潟>◇第15節◇21日◇ホームズ

 INAC神戸が勝ち点を43に伸ばして2連覇に王手をかけた。得点ランキング首位に立つFW高瀬愛実(21)が今季18点目を決めるなど新潟に勝利。2位日テレが勝ったため、この日の地元神戸での優勝は決まらなかったが、残り3試合で日テレと勝ち点は9差で得失点差は20あり、優勝を確実にした。次節28日の岡山湯郷戦(美作)で引き分け以上で自力Vが、負けても日テレが引き分け以下で2年連続の優勝が決まる。

 普段は見せないこん身のガッツポーズだった。1-0で迎えた前半18分、MFチ・ソヨンのFKを頭で押し込んだなでしこジャパンの高瀬は、本拠地ホームズでの今季最多9022人のファンの前で、珍しく喜びをあらわにした。

 「うれしくって!

 先週チャンスで外したことが、家に帰っても1週間ずっと頭の中に残っていた。結果を残したかった」。ゴールが無人の状態で外してしまった悔しさを、今季最後の神戸での試合でぶつけた。後半戦6試合で11得点の高瀬の活躍に、星川監督も「将来なでしこジャパンのエースになれる存在。タイトルを取れたらもっと大きくなれる」と目を細めた。

 2位日テレも勝ったため、地元で連覇を祝うことはできなかったが、残り3試合で勝ち点1を奪えば自力での優勝が決まる。MF沢穂希(34)は「サッカーは最後まで何が起こるか分からない。いろいろ試合があって優勝する方が喜びも大きいし、1試合1試合楽しくサッカーができれば」と前向きだ。

 これで10年10月17日の浦和戦から続くリーグ戦連続不敗記録は36に伸びた。今季14勝1分けと圧倒的な強さを誇るINAC神戸。昨年まではなかった接戦を確実にものにできる地力を武器に、今年も無敗のままリーグ優勝をたぐり寄せる。【福岡吉央】