<高校サッカー北海道大会:旭川実1-0帯広北>◇27日◇準決勝◇札幌厚別公園競技場

 旭川実が帯広北に競り勝ち、同校初の2連覇に王手をかけた。前半立ち上がりから速い縦パスを集中されて押し込まれたが、無失点で耐えしのいだ後半37分、FW山本真司(3年)がコーナーキックを頭でねじ込み決勝ゴールを挙げた。

 今大会初ゴールとなった山本は「ずっと練習でやってきた形だった。後半最後に決められて本当に良かった」と笑顔で汗をぬぐった。3日前の練習ピッチで滑り、左足半月板を痛めたが、痛み止めの薬とテーピングを施しての強行出場だった。「自分が絶対に決めて全国に連れていく、という強い気持ちで臨んだ」と胸を張った。

 毎日放課後2時間の練習のほか、登校前の午前6時半から5人ほどで行う50分間の自主トレも欠かさなかった。富居徹雄監督(40)は「もともと能力は持っていたし、それがどれだけ花開くかという素材。まだまだ伸びしろがある」と、プレミアリーグで4得点を挙げるなどフィジカル強化が著しい長身FWに目をやった。

 「今日の展開だと2点はほしい」と富居監督が言うように、前半は相手の速い切り返しの前に3本多い7本のシュートを許すなど課題も残った。山本は「最後の最後で失点をせず、自分たちが主導権を握っていけるよう全力でぶつかるだけ。そうすれば結果はついてくる」と、決勝の北海道大谷室蘭戦に向けて口元を引き締めた。【奥村晶治】