女王撃破へ、秘策を用意していた。なでしこリーグの仙台レディースは明日27日、ホームでINAC神戸を迎え撃つ。25日の紅白戦では、今季主にサイドバックで起用されていたDF坂井優紀(24)が主力組のセンターバックでプレー。開幕から5試合すべて先発出場していたDF下小鶴がインフルエンザで欠場が決定的だが、千葉監督は「最初から(坂井を)ぶつけようと思っていた。目には目を、ですよ」とニヤリ。得点ランクトップの7点を挙げている173センチFWゴーベル・ヤネズ対策として、フィールドプレーヤー最長身172センチの坂井を抜てきする考えを温めていたことを明かした。

 坂井にとっても負けられない一戦だ。11年までINAC神戸でプレー。移籍後初となる古巣との対決に「一番勝ちたいチームなので楽しみ。無敗記録を破りたい」と燃えている。前節新潟戦では全力疾走で相手GKを追いかけてパスミスを誘い、嘉数の決勝点を“アシスト”。ユニホームは「冬でも雪でも絶対に半袖」と決めている熱いハートの持ち主が、本職に戻って7戦19得点の最強攻撃陣を気迫で封じる。

 持ち味の高さは攻撃面でも生かす。昨季は6得点、今季も1ゴールを決めている元FWは「点に関わるプレーをしたい。でも失点には絡まないように」とフル回転を誓った。INAC神戸の強さを肌で感じたからこそ、真っ向勝負で倒しに行く。【鹿野雄太】