日本サッカー協会は4日、東京・文京区のJFAハウスで会見し、セクハラ疑惑のある田中道博専務理事(55)の処分を口頭による厳重注意にとどめた判断は妥当だったと説明した。同疑惑に関して日本体育協会(日体協)が調査して作成した内部文書の存在が明らかになっている。

 これを受けて会見した田嶋幸三副会長(55)は「その文書は11年12月末に私も読んでます。その後、我々も独自で調査して、田中がテーブルの下で(女性職員の)手を握ったとか、という事実は確認しています」と、迷惑行動は認めた。

 今後、田中専務理事に対して新たにペナルティーを科す予定はない。同副会長は「6月の会見でも言いましたが、サッカー協会は田中の疑わしい行為については認めています。でもセクハラではないという判断なので、口頭による厳重注意になったわけです」とした。

 内部文書では、元女性職員が田中専務理事の行為によって苦しんでいる様子がうかがえる。日本サッカー協会はその事実を把握した上で、口頭での厳重注意処分としていた。

 同副会長は「あの文書は日体協さんのものであって、セクハラかそうでないかの判断は私どもではなく、日体協さんが判断してくださるもの。田中に対する我々の判断が甘いか甘くないかではなく、セクハラかそうでないかが重要です」と言い、文書を作成した日体協が主体的にこの問題に取り組んだことを重ねて指摘した。日本サッカー協会幹部が元女性職員から話を聴いた際、セクハラを否定したことを受け、日本サッカー協会として、今回の田中専務理事の迷惑行動はセクハラに当たらないとの認識を示している。